ビジネス会話・コミュニケーションの取り方

「郷に入れば郷に従え」という言葉があります。

いくらビジネスのグローバル化が進んでも、やはり日本には日本の商習慣があるように、韓国にも根強い商習慣が残っています。
もちろんこちらが外国人だとわかっているので少々のことには目をつぶってくれますが、やはりマナー違反が重なると不愉快になり、まとまる話もまとまらなくなるかもしれません。

そこで韓国語と韓国のマナーやコミュニケーションについて説明しておきたいと思います。

韓国の方言

最初に、韓国には多くの方言があるのをご存知ですか?
日本にも関西弁や東北弁など多くの方言があるように、韓国にも地域ごとに方言があります。

韓国は日本の「県」にあたる「道」と特別市(ソウル)・特別自治市・広域市・特別自治道(済州島)合計17に区分されていますが、標準語の「ソウル言葉」の他に、方言を大別すると4つに分類できます。(ただし済州方言は済州島でのみ使われる方言ですから、韓国本土は中央、東南、西南の大きく3つの方言で区分できるということになります。

東南方言(慶尚南/北道)…いわゆる釜山言葉に代表される方言
西南方言(全羅南/北道)
中部方言(京畿道/江原道・忠清南/北道・北朝鮮黄海道地域)
済州方言(済州島)

これらの方言では使う単語や言い回しにも差がありますが、アクセントやイントネーションに大きな違いがあります。 もちろん標準語のソウル言葉は全国で通用しますが、地域によって相手の喋る言葉が大きく違うので注意しましょう。

たとえばソウル言葉ではアクセントの違いによる言葉の意味の変化はありませんが、釜山言葉では発音の高低・上昇・下降によって意味が変化する場合があります。

私たちが日本で韓国語を学ぶときは方言の違いなど気にせず、普通にソウル言葉を学びます。しかし韓国にも日本に負けないくらい多彩で豊かな方言文化があることを知っておき、訪問した先の言葉を尊重するのは相手への礼儀です。無理に真似する必要はありませんが、訪問先の方言について、あらかじめ勉強しておくなどの配慮が欲しいですね。

ビジネスシーンの韓国語

さて、話は変わりますが日本語に尊敬語・謙譲語・丁寧語などがあるように、韓国語にも尊敬語や謙譲語があります。

ビジネスシーンでも上下関係を言葉に反映することでスムーズに商談を進めることができます。特に韓国は上下関係に厳しい国ですから、ビジネス会話でも尊敬語や謙譲語の正しい使い分けに注意してください。

まず「歳」は、一般には나이と書きますが、敬語になると연세になります。「お歳」といった感じでしょうか。

「食事」は밥。敬語だと진지になります。日本語の場合は名詞の頭に「お」をつけるとたいていの言葉が丁寧語になりますが、韓国語の場合は敬語用の単語や助詞というものがありますので別に覚える必要があります。また日本語では敬語を使う相手に年齢の区別はありませんが、韓国語では敬語を使う相手と自分との年齢により、使うべき敬語とそうでない敬語があることにも注意してください。

次に謙譲語ですが、原則として動詞に「드리다」を付けると謙譲語になります。また名詞にも謙譲語があって、たとえば「自分」を意味する나は저と言い換えることで謙譲の意味を持ちます。

日本語でも、目上の人の前で「オレ」とは言わず、「私」といいますね。それと同じです。(ただし日本では上司の前でも「オレがやります」などという人も増えてきましたが…)

やはり敬語と同様、名詞の謙譲語は単語自体を別に覚える必要があるようです。

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