韓国語能力検定KLATの正式名称は「韓国語能力評価試験(Korean Language Ability Test)」となっており、韓国語を母国語としない学習者を対象に世界80ヵ国以上の国々で開催されている検定試験です。
韓国語によるコミュニケーション能力を0~500のスコアで評価し、その成績は大学留学や韓国企業への採用の際に重視されます。
韓国語能力を評価する検定試験としては別にTOPIK(韓国語能力試験)もありますが、特に大学などではKLATの成績を重視するところが多いようです。
また、韓国の大手財閥・錦湖アシアナグループの一員であるアシアナ航空では、採用に関して「韓国語のできる方優先」とうたっており、就職資格としてKLATの一定以上のスコアを設定しています。
KLATはTOEICと同じようにスコアの高低でその人の韓国語能力を評価しようというものですが、スコアに応じた級で認証が行われます。それによると、
200~245…1級 | 自己紹介、簡単な意思表示や質問に対する応答が可能なレベル |
250~295…2級 | 日常生活の簡単な対話、限定された簡単な業務遂行が可能 |
300~345…3級 | 制限された日常会話、指示を受けた業務事項を伝達可能 |
350~395…4級 | 日常的な韓国語の駆使、独自に公式業務の遂行可能 |
400~445…5級 | 書類作成、簡単な意見の開陳 |
450~500…6級 | 専門的な業務遂行、専門分野の学習 |
というような格付けがなされています。およその見当ですが、4級つまり350点以上になると「そこそこ普通に話せるのかなぁ?」という感じですね。
会議や討論に参加するためには4級以上、会議やセミナー、討論の発言者となるためには5級以上が望ましいでしょう。6級になると専門分野における通訳が可能となっています。
次に試験内容ですが、
「聞き取り」質問数40、配点200、制限時間40分
「語彙」「文法」「読解」「談話」各質問数15、配点75、制限時間4項目合計70分となっています。
つまり総質問数100、500点満点の試験を110分で受けることになります。こうしてみると聞き取りに非常に力点を置いた試験になっていますね。
ちなみに、KLATはかつてKLPT(世界韓国語認証試験)と呼ばれていました。
KLATは試験の意義や内容、スコア制であることなど多くの点でKLPTの性格を引き継いでおり、KLATの公式サイトでも「KLAT(旧KLPT)」と表記されています。
試験の難易度的にも変化はなく、大学の留学要項もまだKLPTスコアで表記されていることがよくあります。
なお、KLATとTOPIKの大きな違いとして、TOPIKは文語的表現など「正統な韓国語」にこだわるのに対し、KLATは「受験者が韓国で生活できるかどうか、公的な社会活動に支障はないか」といった実用的な韓国語能力を重視した検定となっています。
資格のメジャーさという意味ではTOPIKの方がひろく知られているのですが、企業や大学がKLATを重視するのはこのためです。
そしてKLATには、「B-KLAT(Beginners-KLAT)」というエントリー試験もあります。これはKLATに挑む前の入門編のような試験で、「聞き取り」と「読解」という、主に受け身的な試験内容となっています。
韓国語を学び始めたら、まずB-KLATを受けてみて韓国語による試験の雰囲気を身につけておくのもいいですね。