韓国の結婚事情

韓国での結婚には、本人同士がいくら愛し合っていても親の意見が大きく影響します。かつては日本も同様でしたが、日本の場合は親の意見というより「家」の都合が優先していたかもしれません。

しかし韓国の場合は純粋に「自分の子供がこの結婚で幸せになれるかどうか」を考えての親の意見ですから、結婚に際してそれを無視することはできません。まずは、双方の親を説得してから。結婚の準備はそこから始まります。

韓国の食べ物
結婚の準備

両家の両親が結婚に同意すると、いよいよ結婚の準備が始まります。ここからの流れは日韓とも共通する点が多いです。

まず両家の両親同士の顔合わせ。「상견례(サンギュンレ=相見礼)」といいます。これが無事に済むと、いよいよお金がかかってくる段階です。

まず韓国では結婚に際して新郎が住居を用意する風習があります。別にみんながみんな一戸建てを新築するわけではないのですが、仮に賃貸マンションを借りるにしても、韓国では時価の半分以上の補償金を先に大家さんに渡す習慣があるため、家を借りるといっても相当なお金がかかります。

下手をすると1千万円近い出費が必要。もちろん本人だけで調達するのは難しいので、新郎の両親が費用を負担するのが当然になっています。これが韓国の晩婚化が進む理由となっているくらいです。

一方、新婦側は「혼수(ホンス=婚需 婚礼家具)」を買い揃えます。新居とホンスの費用負担のバランスが悪いと両家がもめる原因となるので打ち合わせは慎重に。

韓国の花
結納と結納金

また、韓国では日本の結納にあたる「예물(イェムル=礼物)」と結納金にあたる「예단(イェダン=礼緞 もとは絹織物ですが現在は現金の場合が多いです)」が贈られます。イェムルは新郎と新婦のプレゼントの交換といった意味合いがあり、指輪やペアの時計などが贈られます。

問題はイェダンの方で、これは新婦から新郎側の両親や、両親の親族にも送ることになっています。どの範囲の親族まで、何をいくらぐらい贈ればいいのかが新婦側の悩みの種です。

いよいよ婚礼が近づくと、新郎側から新婦の家に「함(ハム=函)」が引き渡されます。美しく装飾された箱の中に結婚礼状や礼物が詰められ、結婚するふたりの友人たちが新婦の家にハムを運びますが、すんなりとはハムを引き渡しません。このやりとり自体が伝統的な儀式となっています。(最近は省略されることも多いようですが)

韓国の街
結婚式のほかにも

さて、もちろんこの間には式場選び、式の内容をどうするか、ハネムーンはどうするかなど日本とも共通するバタバタがあるのですが、韓国には式とは別に「폐백(ペペク=幣帛)」という伝統式もあります。これは日本の各地にもよく似た風習が残っていますが、要は新郎新婦と両家の親族が家族になるための内輪の式です。

もちろんですが、相手方の家族・親戚との付き合いには韓国語が必要です。「추석(秋夕=チュソク 日本のお彼岸のような風習)」や旧正月など親戚一同が長男家に集まる機会も多く、もしも長男や一人っ子と結婚するような場合にはいつまでも奥さんが「韓国語が話せません」では困りますね。

今は韓国も日本と同様、かつての伝統的習慣が簡素・簡略化される傾向にあるとはいえ、こうした習慣はまだまだ当分続くでしょう。韓国にお嫁に行く方はできるだけ韓国の伝統を大切に守って、その上で韓国語もしっかり勉強しておいていただきたいものです。

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