日本の大学に在学しながら、海外の大学で学べる。しかも休学せず、海外の大学で修得した単位も卒業単位に換算される。これが交換留学のメリットです。
また、自分の母校と留学先の大学と、両方の学位を取得できる「デュアル・ディグリー(D.D)」という制度もあります。どの大学でも可能というわけではありませんが、韓国ではソウル大学などがこの制度に対応しています。
また交換留学以外にも協定校留学という制度もありますが、これは大学同士の手続き上の違いで、同じ交換留学制度を使った留学制度ですから内容に特に差はありません。ただし「認定校留学」となるとちょっと話が違ってきます。
認定校留学とは、母校と相互交換協定を結んでいない大学に自分の意思で留学する制度です。母校の認定があれば単位などは通算できます。
交換留学をするには、まず自分の在学している大学にどのような協定校があるのかを調べることから始まります。協定校の中から留学したい大学を地域や目的によって選び、大学への申請を行います。
ちなみに留学中の学費は自分の母校に納めることになります。追加学費は免除されるのが一般的ですが、渡航費用や留学先での教材費・滞在費などは自己負担が原則です。
ただし認定校留学の場合は、留学中は母校と留学先大学の両方の学費が必要になります。もちろん渡航費や滞在費も自己負担です。
次に、デュアル・ディグリー制度について説明します。
デュアルは「複数の」、ディグリーは「学位」という意味からもわかるように、これは並行して2つの学位を取得する制度です。交換留学を利用して、協定校に2年以上留学することで取得が可能になります。
片方の大学で修得した単位をもうひとつの大学で修得した単位とあわせ、それをそれぞれの大学に認定してもらうことで、最短では4年間で2校の学位を修得することができます。
ただし、デュアル・ディグリーはどの大学でも使える制度ではありません。デュアル・ディグリー制度を利用したい場合は、まず母校がその制度を導入しているかどうかを確認し、韓国でデュアル・ディグリー制度を導入している大学と協定を結んでいるかどうかについても調べてください。
なお交換留学に必要とされる語学力ですが、「韓国語能力試験(TOPIK)」では最低でも2級以上、できれば3級以上が望ましいところです。日本の大学と交換留学協定を結んでいる大学は日本人学生の受入れにかなり慣れていると思われますし、授業面や生活面でもそれなりに配慮はしてくれると思いますが、それでも半年から1年以上にわたって韓国で生活するのですから、最低限の日常会話くらいはできるようになっておきたいですね。
韓国の都市部にある大学では、デパートやコンビニ、レストラン(日本食もあり)、外食チェーン、日本でもおなじみのファーストフード店などが整っており、生活面の水準は日本とあまり違いはありません。また学生食堂のメニューにも日本食が加えられていることがほとんどです。
住居については、民間の賃貸マンションなどを借りるよりも大学の寮を利用することをお薦めします。通学に時間がかからないので時間が有効に使えることと、生活に関わるトラブルが少ないので勉強に集中できるといったメリットがあります。せっかく留学しているのですから、韓国人はもちろん他の国からの留学生とも積極的にコミュニケーションをとるよう心がけてください。
いま、日本にも韓国資本の大手企業がたくさん進出してきていますね。そういった会社への就職にも、韓国での留学経験はきっと役立つでしょう。