韓国と日本は、今日の私たちが意識する以上に文化の深い所でつながっていて共通する点が多いのです。また言葉の上での共通点も多く、「韓国語は日本人がもっとも習得しやすい外国語だ」といわれています。
日本では外国語というとすぐに英語を連想しますが、実際に学んでみて面白さを感じられるという点では韓国語の方が上ではないでしょうか。
ここでは「趣味・教養として韓国語を学ぶこと」について説明してゆきたいと思います。
まず文化について。日本には、縄文時代や弥生時代にさかんに「古墳」が作られました。
この古墳とそっくりなものが実は韓国の慶州(日本海に面した市)でいくつも見つかっていて、勾玉などの副葬品も日本のデザインとほぼ同様だったそうです。オリジナルがどちらだったかといった話は大して重要ではありません。「日本と韓国は古代、文化をほぼ共有していた」と考えることに意味があるのではないでしょうか。
そして日本も韓国も、同じ漢字を使います。
日本人は漢字を崩してひらがなやカタカナを考案し、韓国では太宗王がハングル文字を考案しました。現在の韓国では漢字使用をやめてすべてハングル表記で統一するようになっていますが、韓国語の単語の半分以上が漢字語であることや、漢字の読み書きによって中国や日本、台湾、シンガポールの人々とコミュニケーションが容易になるといったメリットもあって、多くの韓国人がハングルと漢字を使い分けています。漢字かな交じり文を使い慣れている日本と似ていますね。
また、同じ漢字を使うために韓国では意味も発音もほとんど日本語と同じ言葉がたくさんあります。
カバン→カバン、約束→ヤクソク、高速道路→コソクドロといった感じです。面白いのは、男女の仲のもつれをいう「三角関係」もそのままの意味で「サンカクカンケイ」で通じます。よく使う日常語でも数十、詳しく調べてみると数百もこういった語があるようです。
そして面白いのは、韓国と日本とでは多くの外来語が共通しているという点。ポスター、ゲスト、ダイエット、ダンス、アルバイト、モダン、コンサート、アイスクリーム…などなど、日本でカタカナ語として通用している外来語のほとんどは韓国でも通じます。
韓流ドラマやK-POPにもこれらの外来語はよく登場しますから、いちど吹き替えなしでよく聞いてみてください。韓国語や韓国の人々にあらたに親近感が湧いてくるかもしれません。
最後に、文法的な話題に触れましょう。日本語と韓国語は基本語順がSOV型で一緒です。
「私はみかんを食べる」といった時、私=主語(S)、みかん=目的語(O)、食べる=動詞(V)という語順は韓国語でも同じ「나는 귤을 먹는다」となります。「나는=私は」「귤을=みかんを」「먹는다=食べる」ですから、日本語をそのまま単語を入れ替えることによって韓国語になります。
もちろん複雑な文法では日本語と同じというわけではありませんが、英語の「I eat an orange」のようなSVO型よりも日本人には直感的に理解しやすい言語ということになります。
いかがでしょう。こういった雑学を通じて、韓国語に対して今まで以上に親しみや関心を持っていただけるきっかけになったら幸いです。
韓国は日本に一番近い外国。韓国語をマスターすれば韓流ドラマやK-POPを通じてアジアの現在に触れることができますし、韓国の小説や映画を楽しむこともできます。旅行に行って、お店の看板やメニューが読めるだけでも楽しみは倍増しますね。ぜひ気軽に韓国語にチャレンジしてみてください。